今回も診療終了後に急いで会場に向かいましたよ。
今回は20時開始(*_*; 22時半終了。
空腹と睡魔に負けてしまいそうでしたが・・・
10年ほど前に勤務していた病院で
【門脈シャント】という先天的な病気のわんちゃんが、続いたことがありました。
1匹は手術が可能なタイプでしたので、こちらの先生にお願いし、すっかり元気になりました。
もう1匹は手術ができないタイプでした。
その時に、たんぱく質を制限しながら、エネルギーやミネラルやビタミンを効率よく吸収できる食事療法を教えていただき、
余命半年か・・と言われていた子が、なんと4年近く元気に過ごせました。
私にとっては『神』的な先生なのです。
うちの子は、小さいころからよく食べて元気なのに、全く太らないし、少し便が軟らかいのよね~(#^^#)
なんていう飼い主様はわりと多いかもしれません。
もしかすると、アミノ酸代謝に問題があるのかもしれません(”ω”)
学生時代に、バリン、ロイシン、イソロイシン・・♪♪なんて、呪文のように口ずさんでいませんでしたか(#^.^#)
必須アミノ酸は、【体の中では作る事ができなく、食べ物から摂取しなくてならないアミノ酸】です。
ちなみに、私たちの体は、20種類のアミノ酸でできているそうです。
必須アミノ酸は、バランスが重要です。
肝臓が悪くなると、アンモニアという成分が解毒できなくなります。
(アンモニアは、お食事のたんぱく成分が腸管内で分解された後にできる有毒成分です)
アンモニアは筋肉でも分解されるので、肝臓が悪くなると、その分筋肉での分解が進むので筋肉がやせていきます。
ですので、「たくさん食べるのに痩せている」ということになります。
肝臓や、筋肉でアンモニアを分解するのに、必要な成分が必須アミノ酸である、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)やAAA(チロシン、フェニルアラニン)です。
このBCAAとAAAのバランスが崩れるとたんぱく質代謝の低下から、血中アンモニア濃度の上昇となり神経症状が始まります。
怖いですね~(*_*;
一般的に、栄養バランスを整えてあるドライフードが、このような場合使えなくなります。
動物性たんぱく質を極力控え、糖分、ビタミン、亜鉛、脂質などを加えた手作り食が必要になります。
しかも、空腹にさせないように、1日3~4回与えなければなりません。
鳥巣先生が開発した栄養補助剤を使用すると、この手作り食の手間がかなり省けるのです!(^^)!
この栄養補助食品は、腸疾患用もありまして、
「蛋白漏出性腸症」や、「低グレードの腸リンパ腫」で腹水がたまる症例でも大活躍します。
腹水は、低アルブミン血症で発症しますので、アルブミン(たんぱく質)を腸からうまく吸収させなければなりません。
合わせて塩分を控え、低ナトリウム食にすることが必要になります。
腹水が溜まってしまっている5㎏の腸疾患の子は、ナトリウムを50㎎程に抑えなければなりません。
【超低脂肪食+低ナトリウム食】
美味しくなさそうですね(*_*;
ちなみに、ちくわ1本にはナトリウムが1245㎎、ウインナー1本には73㎎含有されているそうです。
健康な5㎏のわんちゃんの1日に必要なナトリウム摂取量は200㎎。
低脂肪食とされている療法食でもナトリウムは、477㎎含有されているようです。
ちくわやウインナーの塩分・・・
ちょっと怖くなりますね”(-“”-)”
もちろん、心臓、肝臓、腎臓、腸疾患が無ければ、塩分をたまに多く摂取してもなんの問題もありませんので、ご安心ください。
今回のセミナーでは、このような病気を診断するのに、血液検査・レントゲン・エコー検査のどこに注目すればよいのかを学びました。
今後の診療にいかしていきますよ!(^^)!
肝疾患、腸疾患でお困りの方はご相談くださいね。